FPSの難しさ

SA/SF辺りもある程度手を出していたのですが、今年に入り
Oβになっていたペーパーマン・LANDMASS・SOW辺りもやって
みたので雑感等織り交ぜつつ今後など。

・ペーパーマン
最初に報道された時からアニメ絵でのFPSというものに結構
興味が湧いていたのと、プレイヤーが紙なので火攻撃で燃やし
燃やされたりするような演出があると云う点に期待していました。
中身の方は実際そこそこ面白いが、思ったより火だの紙である
事を生かした演出は少なかったのが結構残念。
MAPがそこそこ面白かったのは好評価。しかしアニメ絵である利点を
生かした取っ付き易さがある訳でもなく従来のFPS通りな為、
FPS初心者に門戸を開く存在とは言い難そう。
βテスト中に会員登録数が今一だったのか日本でのサービスを
打ち切る事になった。

・LANDMASS
機械系なのだが操作性がやり辛いとしか思えない操作性、
機械な事を生かした爽快感も薄い。
ちょびっとやってend

・SOW
韓国産無料ゲームにありがちのインターフェースで陣地取り
占領戦をやらせるタイプのFPS。
ダッシュがあるFPSを始めてやったのだけど、期待以上にダッシュの
使い所や狙いの難しさがあって面白い。
占領戦というシステムも悪い物ではないと思うし、MAPも小規模戦の
事を考えて地形や起伏、キャンプポイントから狙える箇所まで
きちんと設計されている点は中々良い。(逆に言えば中規模以上で
面白いと思えるようなMAPは少ない。)
が、酷い事にチートが蔓延していて、倒せない相手やら無限倍速
ダッシュ等酷いのが横行している。
その上会員登録数も今一伸びていないようで先行きは難しそうである。

βテスト→基本無料→アイテム課金といったシステムを取りながら
中身を少しずつ替えたり特色をつけていっている基本無料型のFPS。
それに対し大作の続編を作りパッケージ販売を続ける大手数社。
どちらも日本でのFPS事業を困難に感じているのではないか、自分は
そう思っている。
戦争・対人ゲームをストイックにプレイし、仲間と協力して相手よ
り巧いプレイを行い勝利する事に楽しみを覚える人間は、日本にも
当然居る。FPSの世界にも当然多い。
しかしながらその人口は数年前よりは増加している物の多数の
企業がそれぞれ数多くの顧客を得る程までには程遠く、伸びしろ
も少ない。
企業としては新作を開発しても日本では顧客が十分に獲得出来ず、
まさに今悪戦苦闘している最中なのでは無いかと。

実際上記3作の感想を見れば分かるとおり、プレイしてみて面白い
作品が無い訳ではない。だが、FPS好きな自分でもそんなに長期間
(数ヶ月から半年以上)やりこみたいと思う程の物は無く、全くの
初心者がやって楽しいのかなぁ？と思う作品が多かった。
登録数が伸び悩むのにもなんとなく納得してしまう。
チートのようなゲームをやる気力を減らす存在も駆逐しきれて
いない。

昔から良く日本人に戦争を始めとする対人ゲームは合わないの
ではないか、という話を聞くが、自分はそう思ってない。
協力プレイに燃える者、Flag稼いでストレス発散をしたい者、
自分の成績を追及して悦に入りたい者、実際にそのような人間は
数多く見てきた。
だがそれら既存のFPS愛好家は本当に面白いFPSはやり込むが、そこ
そこでしかない物は暇な時間にやる程度であり。
新規開拓をしたくても日本のネットゲーマー層の多くは対人に
不慣れである為、様々な対人の面白さを理解する前に時に飽き、
時に狩られる事に萎えて止めていってしまい、根付かない。

いい加減日本で運営を行うFPSタイトル、特に新規参入を考えて
いる企業は二つの事を真剣に考えるべきだと思うのです。
ひとつは、既存のFPSが嵌る程の面白いタイトルを作成する事。
もうひとつは、新規FPSを根付かせる為の企業努力をする事。
どちらも使いまわしだけじゃ難しくなって来ているのでは、と、
収益＞顧客満足と云った企業意識じゃ到底この事は考えられないと、そう思うんですよね・・・。

良くも悪くも日本人は、仲間内と溜まれる場所なり社会を作って、
そこで知り合いなり輪を広げて、ゲームと仲間との輪両方を楽しむ、そういうネットゲームの楽しさを学んできていて。
その辺りも十分に考慮して開発運営を行い、収益をどう回収する
か(も大事ですが)よりまずは顧客にどう受けていけるか、その事
をきっちり考えていかないと、日本で活気を持つ事は難しいので
は、そう考えます。
そしてそれはFPS以外の戦争ゲームでも同じであるかと。